2014/05/08憲法審査会(参考人質疑)

○保利会長 次に、畠中光成君。
○畠中委員 結いの党の畠中光成です。
 本日は、四名の参考人の先生方、貴重な時間、また有意義な意見をいただきまして、ありがとうございます。
 特に、南部さんが中山太郎先生の言葉を引用されました、私たちが誇るべきは、憲法の変えやすさでも変えにくさでもなく、憲法を変えるかどうかについて、どれだけフェアなルールを持っているかという言葉、私どもこの憲法審査会の委員も、そういった考え方に基づいて今回の国民投票法の審議を進めてきた次第です。
 当初、我が結いの党も、三つの宿題それぞれについて案を持って意見を表明してまいりましたが、事憲法改正手続に関する法律ですから、できるだけ多くの会派の賛同の中での方がふさわしいという意見の中で、七党の合意に加わりながら議論を進めてまいりました。
 そういった中で、参考人の皆様に質問を幾つかさせていただきたいんです。
 一つ目、十八歳の投票権、選挙権について、我が党は速やかな引き下げを訴えてきた立場でありますが、この間さまざまな議論があった中で、この引き下げについては、ほとんど全ての会派がその方向性について一致しているところであります。
 この引き下げについて、先ほども議論がありましたように、教育、学校教育が重要なのは論をまたないと思います。ただ、その際に、田中参考人から知識中心ではなく体験型という御意見もありましたけれども、判断能力以前の、情報収集とかあるいは読み取り、いわゆるメディアリテラシーが、昨今、テレビ、新聞のみならず、インターネット等、情報が氾濫している中で、このリテラシー能力というのが極めて重要だと思っています。
 これは、単なる公民だとか現代社会とかといった領域とはまた別の能力といいますか、教育的な観点が必要になってくるのではなかろうかというふうに思っておりますが、従来の学校教育外の、私が申し上げましたメディアリテラシー能力も含めて、こういったところをどうしていくかということについて、四名の参考人の皆さんから簡単に御意見をいただけますでしょうか。
○田中参考人 畠中先生、ありがとうございます。
 メディアリテラシーにつきましては、大変重要な課題だというふうに私も考えております。
 特に、昨今のインターネットの普及に伴いまして、結構、政治的な主張も多いわけでございますけれども、往々にして、その根拠は何なのかよくわからないままに一つの方向に意見が、そうだそうだというような形でなったりというようなことがあるわけですけれども、これは、現実の社会とのかかわりの中で判断能力を身につけて、それプラス、メディアとのかかわり、両方の能力をつけていきませんと、一方的に偏るということになりかねないと思うんですね。
 そういう意味では、メディアリテラシーの教育というのは、インターネットとかあるいは新聞等の情報を読み解く能力とともに、特に地域ですけれども、自分が体験している世界に直にかかわる中で身につけていく判断能力というものがすごく大事で、その際、先ほど申し上げましたように、地域の人にヒアリングをするとか話をするとか、聞く、話す能力から始まりまして、新聞を読み解く力、インターネットの情報がどこまで正しいのかを知る力というような、総合的に考えていかなくてはいけないわけでして、これは、公民系の教科だけでなくて、もちろん国語とかあるいは総合学習も含めて、教育全体でメディアリテラシーについては考えていかなければならない課題というふうに思っております。
○南部参考人 この問題を公職選挙法の改正に絡めてお話しさせていただきたいというふうに思っております。
 インターネットによる選挙運動が解禁されましたけれども、相変わらず未成年者は選挙運動ができません。うっかりリツイートをしたりとかできない、そういういろいろなガイドラインが発表されましたけれども、ぜひ、十八歳で選挙権というようなことになった場合は、もっと自由な運動ができるように同時にしていただいて、文書図画規制であるとか、そういうのを抜いていただく必要があると思います。
 学校でいろいろ自分たちでチラシをつくって議論したり、あるいは、私の住んでいる、さいたま市で県立高校が合同で各候補者の公開討論会をやるとか、そういった企画がどんどん自由にできるようになるように、主体的にそういうことができるようになるように、今規制する法律がかなりあると思いますので、必要な見直しを行っていただければというふうに思います。
 能力については、先ほどから申し上げているように、全然遜色ないというふうに思っておりますので、その点は御心配はないというふうに考えております。
○松繁参考人 申し上げます。
 本当に学校教育が大事だということでいきますと、今の学校教育のあり方も、もう一つ見直す必要があるのではないかというふうに考えております。今、子供たちを学力テストで、点数で縛るような教育が先行しがちですけれども、そうではなくて、自由な論議ができるような教育、そういったことを保障することがあわせて必要だというふうに思っております。
 そして、いろいろなメディアが氾濫する中でどういう情報をつかむかということは、学校図書館の役割も随分大きいというふうに私は思います。学校図書館にきちんと司書がいて、新聞も見られる、そしてそういうメディアの情報も見られる、いろいろな情報判断ができる場所として、そういう公教育の場に、きちんとした図書館教育であるとか、あるいは、社会教育を担うのは行政の役割になりますけれども、そういったことにもきちんと参加をさせていく、そういった教育のあり方を求めていくことが大事だというふうに思っております。
 以上です。
○水地参考人 今のメディアリテラシー等の問題でございますけれども、SNSの利用等につきましては、子供たちの方が情報を収集するということだけについてはどんどん進んでいってしまっているところがあるわけですけれども、そこで得た情報等をどのように信じるのか、どう取捨選択するのかといったところについての判断には極めて危ういところがまだあると思っておりまして、そういった点の教育が本当に重要だと思うんです。
 例えば、ちょっと現状はわかりませんが、私の子供たちの時代に、ほんのちょっと何年か前ですけれども、パソコンの利用については技術の時間に習っていたんですね。技術の時間に技術としてパソコンの利用方法は習うんだけれども、多分、そこから出てくる情報等をどう読み解くかといった部分についての教育といったものが、そういったことがまだ十分に織り込まれていないのではないかというふうにその段階では危惧いたしました。ですから、ちょっと現状はどうなっているかわかりませんけれども。
 それと、そういった判断をしていく、集めた情報をどう判断するかという中で、ちょっと宣伝になりますけれども、弁護士会でやっています法教育といったようなことは、法律のことを勉強するということではなくて、いろいろ出てきた情報を法的に考えていくということを学ぶということで、小中高といった形でそういったこともやっておりますので、そういった形でいろいろな考え方といったことも身につけていくということが必要であるというふうに考えております。
○畠中委員 ありがとうございます。
 私は、まず、投票権、選挙権年齢引き下げに当たっては教育が大事だというふうに思いますし、また同時に、教育の中身についても、いろいろな考え方があるということを理解することが極めて重要だろうと思っています。
 例えば、各新聞の社説等でも、一つのテーマについてさまざまな考え方があるということを常に整理する力をつけていくとか、こういったことで、例えば、実際、国民投票の際もそうですし、選挙の際にも、どの候補がいいのか、どの考え方がいいのかという判断能力につながっていくというふうに思いますので、まず、いろいろな考え方があるということを学校教育の中で取り入れるのが極めて重要だろうというふうに思っています。
 では、次の質問に移らせていただきます。
 公務員の政治的行為について、組織による勧誘行為の制限については今後の検討課題になりましたけれども、また、この件については参考人の間でもそれぞれ賛否はおありかと思いますが、今後の課題としてぜひ御所見をお聞かせいただきたいのが、そもそもこの組織というのは一体どういうものを言うのか、どうあるべきか、あるいはどういう認識をお持ちか、御所見を簡単に四名の方それぞれお聞かせください。
○南部参考人 当初、この論点が七党の法案で出てきたときに思い出しましたのは、国民投票法の立案当時に、外国人による組織的な国民投票運動の規制というのを検討した時期が一時期、ほんの一時期だったんですけれどもありまして、それはすぐに論点としては消えてしまったんですけれども、また、そういうちょっと懐かしい論点が出てきたなという気はいたしました。
 組織性の要件というのは、法学的に明確な定義ができるようで、実はできない面がかなりあると思います。フェイスブックページみたいなもので公務員の方々がつながっているというようなことが現にありますので、そういったものにも広げていくと、検討課題といいましても非常に議論がループしてしまう可能性があると思うので、私は非常に消極的に考えております。
○松繁参考人 申し上げます。
 組織というものも、本当に、どういうものだろうというふうにこの法案を見たときには思いました。それで、いろいろな論議の中で、やはり公務員が加わる労働組合などを少し名指しして批判しているんじゃないかなという思いがありましたので、最初の意見表明のときには、公務員労働組合、私たちの労働組合はこういうものだよということの説明をさせていただきました。
 どうも、今後の検討の中で、労働組合にとどまらずに、いろいろなサークル活動をやっているところであるとか、あるいは山岳をやっているところだとかも含めて、幅広いところが対象になりかねないのではないかなということがいろいろ危惧をされますので、これも含めて、自由に国民投票法、憲法について論議する場合においては、組織というものは全て取っ払う方がいいのではないかというふうに思っております。
 以上です。
○水地参考人 私どもも、先ほど述べましたとおり、組織というのがむしろどういうものを想定するかという御質問でございましたけれども、組織という概念は大変に幅広いものでございますので、そういった幅広の概念で規制するということについては消極に考えております。
○畠中委員 ありがとうございます。
 では、最後の質問を一点だけ、またお聞きします。
 これも公務員の政治的行為についてなんですが、国民投票の性格に鑑みて、基本的には自由であるべきだというのが我が党の立場ではあるんですけれども、先ほど三谷委員から日弁連さんの組織内の話も出ましたように、今回、国民投票でありますから、国民が広く参加できるという趣旨については、それぞれしっかりとその趣旨を考えていく必要があるという前提で、公務員の政治的行為は基本的には自由であるべきだとは思うものの、一方で、その分、地位利用についてはあってはならないわけですから、その罰則について我が党も主張してきたわけであります。
 萎縮するというのは心理的にはわからないわけではないけれども、しかしながら、その範囲、何が地位利用に当たるのか、これを明確化するのは十分に検討できることではなかろうかというふうに思っているわけです。
 この地位利用の範囲は明確化できるのか否か、あるいは地位利用そのものについてどのようにお考えか、御所見を田中参考人と水地参考人にお願いします。
○田中参考人 私は、原則自由でいろいろな方が発言できるのはいいと思いますが、どの点で公務員として制限をかけるかということにつきましては、ある意味で私も専門外ですので、意見は差し控えさせていただきたいと思います。
○水地参考人 明確化できるかということにつきましては、一定程度、例示をしたりというような形で明確化するということはもちろん可能であると思いますけれども、私どもの考えております自由にすべきだというところの限度というのは、明確にしたものというのは、地位利用として今回新たに法制化しなくても、そこに当たるようなものは、現行の公職選挙法ですか、そもそも公務員として職権濫用とかそういったところに当たるものと重なり、それを超えるものはないというふうに考えております。
○畠中委員 終わります。ありがとうございました。

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