2014/04/24憲法審査会(政府参考人質疑)

○保利会長 次に、畠中光成君。
○畠中委員 結いの党の畠中光成です。
 内閣に年齢条項の見直しに関する検討委員会が設置されまして、その後、関係省庁の協力を得ながら、省庁別の対象法令の検討状況を整理していただいたかと思います。その中で、公選法、民法、それから少年法、スポーツ振興投票法、いわゆるtoto法ですね、これに関連して、検討中のものが十と少しあるわけです。かなり少なくなったというふうに思います。
 要は、今回の立法において、年齢を引き下げるんだ、選挙権も含めて引き下げるんだという強い意思さえあれば、それはすぐにでもできる。先ほど、いろいろな各省の違い等で政府内がまとまっていないという答弁もありましたけれども、こういった検討状況からいけば、強い意思さえあればすぐにできる、そのように考えるわけですが、こういうことでよろしいでしょうか。内閣官房、お答えください。
○河内政府参考人 お答え申し上げます。
 政府といたしましては、年齢条項の見直しの検討を行うため、この検討委員会を開催し、各府省庁の所管法令の検討状況についてフォローアップを行ってきたところでございます。その結果、現在の議論の焦点は、御指摘の公選法、民法及び少年法の取り扱いに絞られてきたと認識しております。
 しかしながら、検討委員会のもと、内閣官房、総務省、法務省を中心に検討、調整を進めてまいったわけでございますが、残念ながら政府部内では成案を得るに至っていないところにつきましては、先ほど来御答弁申し上げているとおりでございます。
 政府といたしましては、今国会に提出された国民投票法改正案附則第三項の趣旨や与野党八党の合意事項、その他、立法府における御議論等を踏まえた対応が必要であると考えております。
 こうした見地から、引き続き、それぞれの法律、制度を所管する総務省、法務省において、所管行政に支障が生じないよう必要な対応について検討を深めることがもとより重要であります。内閣官房としても、これを促すとともに、両省とともに必要な対応を行ってまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○畠中委員 今、くしくもおっしゃっていただいたように、まさに立法府の意思というのが一番大事なんですよ。すなわち、我々がしっかりその意思を示すということが一番大事だというふうに思います。
 私も共同提出者の一人として申し上げるのは申しわけないんですけれども、特に与党筆頭である自民党さんには、この旨、特に党内をしっかりまとめておいていただきたいと思うんですが、それ以前に、ここで確認したいのが、今回、七党で共同提出をしたわけですから、もう既に自民党内云々の話ではないわけですよ。この七党がいわゆる立法府の意思なわけでありますから。
 改めて申し上げておきたいんですが、私、共同提出者の一人として七党の確認書も交わしましたし、今回、共同提出に至るわけでありますから、下げるんだという意思はこの立法府において明確だということを改めて強く申し上げておきたいと思いますので、政府部内で今まとまっていない、そういう発言をおっしゃっていますけれども、立法府の意思は明確なんですから、その旨、くれぐれもよろしくお願いしたいと思っております。
 さて、そのことを申し上げた上で、各省にお伺いします。
 民法上の未成年者に対して国民投票権や選挙権を認めることの見解を、総務省、法務省、それぞれお聞かせください。
○安田政府参考人 選挙権年齢と民法の成年年齢の関係についてでございますが、総務省といたしましては、この両者が一致することが適当であるというふうに考え、その旨を説明してきたところでございます。
 憲法改正国民投票の投票権年齢につきましても、選挙権年齢や民法の成年年齢と一致することがわかりやすい、望ましいとも考えられますが、一方で、憲法改正国民投票の投票権につきましては、できるだけ多くの国民が参加することが望ましいという観点から投票権が認められていることなど、選挙権と異なる点もあるというふうにも考えている次第でございます。
 いずれにいたしましても、こうした投票権年齢、選挙権年齢のあり方につきましては、各党各会派において御論議いただくべきものでございまして、総務省といたしましては、立法府において結論が出された場合においては、それに基づいて適切に対処してまいりたいというふうに考えてございます。
○萩本政府参考人 冒頭での御説明で、民法の成年年齢と公職選挙法の選挙権年齢との関係については既に御説明を申し上げました。
 そこで御説明申し上げましたことは、今委員から御指摘のありました、国民投票法の投票権年齢と民法の成年年齢との関係についてもひとしく当てはまるというように考えております。
 すなわち、民法の成年年齢と、今般の提案で参政権グループと称されている国民投票法の投票権年齢、公職選挙法の選挙権年齢とは、それぞれ立法趣旨が異なっておりますから、これらが必ずしも一致する必要はなく、民法の成年年齢を引き下げることなく国民投票権年齢及び選挙権年齢を引き下げることに理論上の問題はないと考えております。
 また、十分な環境整備をすることなく民法の成年年齢を引き下げた場合には、十八歳、十九歳の若年者に消費者被害が拡大するなどの問題が生ずるおそれがあるのに対し、国民投票権年齢及び選挙権年齢を引き下げましても、こうした直接的な被害という問題は起こらないのではないかと考えております。
 したがいまして、法務省としましては、民法の成年年齢を引き下げることなく、すなわち十八歳、十九歳の民法上の未成年者に対して国民投票の投票権及び選挙権を認めることに特段の問題はないと考えております。
○畠中委員 続いてお伺いします。
 選挙権年齢十八歳引き下げについて、公選法と少年法の関係において、選挙運動等に影響が出ないように法制上どのような措置が考えられるかということを、これも総務省さん、法務省さん、お願いいたします。
○安田政府参考人 選挙権年齢と、仮に少年法の適用対象年齢とにずれが生じた場合につきましては、実務的には、十八歳、十九歳の者が選挙犯罪等の犯罪を犯しても、原則として保護処分となりまして公民権停止の対象とならないといった点について、二十以上の者との均衡を失することになるのではないか、この点をどのように整理するかということが論点になるものと考えておるところでございます。
 こうした者に対しまして、十八歳、十九歳の者に対しまして、刑罰を科することなく、別途、公職選挙法で本人の選挙権、被選挙権の停止等を規定することができるかどうかといったことにつきましても、私ども、内部でも議論をいたしましたけれども、なかなか二十以上の者との取り扱いの平等を担保できる方策を見出すことが、現時点ではまだできていないという状況でございます。
 例えば、先ほど法務省から御指摘のございました、一定の保護処分を受けた者の公民権を停止するといったことも想定されるわけでございますけれども、保護処分の判断基準が刑の量刑の判断基準とは異なるのではないか、やはり二十以上の者との取り扱いの平等を厳密に確保することは難しいのではないかといった課題があるというふうに認識しているところでございます。
○上冨政府参考人 法務省の立場から御説明申し上げます。
 まず、現行の少年法におきまして、少年に対し、保護処分、刑罰の双方を科すことができることとされておりますことから、十八歳または十九歳の者を少年法の適用対象とした場合におきましても、これらの者が罪を犯した場合に何らの処分も受けないことを意味するものではございません。家庭裁判所に送致された少年についても、死刑、懲役または禁錮に当たる罪の事件について、その罪質及び情状に照らし刑事処分が相当と認められるときには検察官に送致されまして、刑事手続により刑罰を科されることとなります。
 また、刑事処分とならず保護処分となる場合でありましても、保護処分といいますのは、犯罪行為を内容とする非行事実が裁判所により認定されたことを前提といたしました不利益処分としての性質がございます。特に、少年院送致などの施設収容処分については、その不利益性は大きいと考えられるところです。したがいまして、少年法の適用対象年齢が満二十歳未満のままであったとしても、公職選挙法違反の罪を犯した少年に対しては、その事案に応じた適切な処分がなされ得るものと承知しております。
 他方、公民権の停止や連座の制度は刑罰そのものではなく、選挙が公明かつ適正に行われることを確保することを目的とした選挙制度上の措置であると承知しております。そうしますと、十八歳または十九歳の者が選挙違反をした場合における、公民権の停止や連座の制度という公職選挙法上の措置の対象とすることの必要性、あるいはそのための要件につきましては、選挙制度のあり方の問題としてまずは検討されるべきものと考えております。
 その上で、仮に、公職選挙法上の政策判断として、保護処分を受けた者などについても公民権停止や連座の対象とする必要があるということであれば、公職選挙法において、一定の保護処分を受けた者について公民権停止や連座の対象とするなどの法整備を講ずることも可能ではないかと思われるところです。
 なお、保護処分につきましては、先ほど申し上げましたとおり、刑事裁判における有罪判決と同様に、非行事実の認定がなされる不利益処分でございます。その上で、保護処分に対して何らかの公職選挙法上の措置をとることについて、具体的あるいは現実的な問題があるということであれば、法務省といたしましても、その問題点について、具体的な御提案を踏まえて協議に応じてまいりたいと考えております。
○畠中委員 今、総務省さん、法務省さんから、十八歳への年齢引き下げに関する幾つかの論点について御答弁いただきました。ほかにもたくさんあるわけですけれども、総務省も法務省もそれぞれの立場があるわけですから、多少の意見の違いがあって、これは当然だと思います。しかしながら、先ほど冒頭に申し上げましたように、このたび、立法府の意思というのが明確なんですから、今御答弁いただいた範囲であれば、この意思に基づいてまとまっていただくことを強く期待したいと思います。
 次に、国政選挙、明らかに行われる国政選挙、二〇一六年、二年後の参院選、あるいはそれまでの衆院選ということになりますけれども、選挙権年齢の引き下げにかかわる周知期間というのはどの程度必要だと考えるか、総務省さん、お聞かせください。
○安田政府参考人 周知期間についてのお尋ねでございますけれども、選挙権年齢の引き下げに当たりましては、選挙実務の面では、市町村選挙管理委員会における選挙人名簿調製システムの改修と、それに基づいての選挙人名簿の登録というものが必要でございます。また、周知啓発、これはどの程度時間をかけるかという問題がございますけれども、これも必要だということで、こうしたものの準備が必要だというふうに考えてございます。
 このうち、選挙人名簿調製システムの改修等についてどのぐらいの期間を要するか、複数の市町村の選挙管理委員会に聴取したわけでございますが、現行のシステム改修あるいは改修後のシステムの稼働確認といったもので、一番長く必要だと答えたところは六カ月程度というお答えでございました。三カ月程度というお答えの団体もございました。こういう回答を寄せられているわけでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、今回、そういうことで、まだ市町村選管に問い合わせたという段階でございますので、今後、こうした必要な準備期間についてはさらに精査をする必要があるというふうに考えているところでございます。
○畠中委員 そういった期間について、簡単にお答えいただいたわけですけれども、しっかりとお尻を明確にして、どの程度の期間が必要かということで、今後、各党プロジェクトチームでも、この選挙権年齢の引き下げについて動かしていかないといけない、そのように認識しています。
 同時に、この十八歳への年齢引き下げについては、国会で議論されているほどまだ国民に十分に周知されてきていないように思います。先ほどほかの方の質問への答弁の中でも、環境整備が整っていないという御答弁をされた方がおられますけれども、まさに、国民に対してしっかりと周知することが一番の環境整備だというふうに考えますので、それは私どもも、そういった取り組みに対してしっかりと提案をしていきたいと思いますが、政府の方においてもこの取り組みをしっかりと行っていただけるようお願い申し上げます。
 次に、公務員の政治的行為に絡む質問に移らせていただきます。
 公務員や教職者の地位利用について、その構成要件の範囲を絞るのが難しいという旨の意見もあります。とはいうものの、地位利用については禁止は禁止ですので、罰則が仮に設けられなかったとしても、要件の範囲というのはある程度定めることができるんじゃないか、そういうふうに思うわけですけれども、総務省さんの御見解をお聞かせいただけますでしょうか。
○安田政府参考人 地位利用に関しまして既にある規定といたしましては、国民投票法も、罰則はございませんけれどもございますが、罰則をもって既に担保されている地位利用に関する規定といたしましては、公職選挙法上の公務員の地位利用の禁止規定あるいは教育者の地位利用の禁止規定というのがございます。
 ここにおける公務員の地位利用についての「その地位を利用して」の意味でございますが、公務員等としての地位にあるがために、特に選挙運動等を効果的に行い得るような影響力または便益を利用する意味であり、職務上の地位と選挙運動等の行為が結びついている場合をいうと解されているところでございます。
 教育者の地位利用についての、その「地位を利用して」の意味でございますが、教育者たる地位に伴う影響力を利用して選挙運動を行うことを意味するというふうにされているわけでございます。
 これらに係る刑事裁判の判例も幾つかございます。また、私どもといたしましても、ある程度の類型化、整理を行ってきているところでございまして、こういう形で罰則は適用されているということでございます。
 一方で、今回の法案の審議において、地位利用について罰則を設けるかどうかということについては、各党間で御議論がなされて提案がされているというふうに承知してございますので、国民投票における地位利用についての構成要件ということについては、お答えは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○畠中委員 公務員の政治的行為にかかわる論点については、政治的行為そのものにも、先日の百地参考人もおっしゃっておられましたけれども、そもそもグレーゾーンが見受けられると。そっちの方にグレーゾーンがあるのであれば、よりこの地位利用の部分について、我が党も提案をさせていただいたような罰則を設ける、こういった方がよほど範囲を明確にしやすい、そういうふうに私は考えておりますので、今後の検討課題として取り組んでいきたいと思っております。
 さて、最後に、三つの宿題のうちの三つ目であります一般的な国民投票についてお伺いしたいと思います。
 結いの党は、国政重要問題国民投票制度として、憲法改正以外の一般的国民投票制度について提案をさせていただきました。今回の改正案においても、意義や必要性についてさらに検討を加えと、多少なりとも議論を前に進めることになりました。
 昭和五十三年二月三日の真田内閣法制局長官の答弁でも、「法的な効力は与えない、どこまでも国会が唯一の立法機関であるという憲法四十一条の原則に触れないという形に制度を仕組むということであれば、まずその点は憲法に違反しない。」とあります。しかしながら、いまだに間接民主制との整合性云々、こういった話を引き合いに出して議論がなかなか進まないというのは残念なことだと考えております。
 そこで、諮問的な国民投票制度については、現行憲法がとっている間接民主制に反するものではない、むしろ欧州などでは重要な場面で積極的に活用されているということを改めて確認しておきたいと思いますが、御見解をお聞かせください。
○橘法制局参事 衆議院法制局の橘でございます。
 私ども衆議院法制局は、憲法及び法律問題に関して局としての見解を述べるような機関ではございませんが、全般にわたる御質問でございますので、便宜私の方から御答弁させていただくことをお許しください。
 まず、憲法九十六条が定める憲法改正に係る国民投票以外の場面について、例えば、先生御指摘のような、国政における重要な問題に関する国民投票制度を、その結果に法的拘束力を持たせない諮問的なものとした上で法制度設計することにつきましては、現行憲法のもとにおいても十分に認められるとする御見解は解釈論の一つとして成り立ち得るものと拝察いたします。現に、そのような見解は、学説においてもむしろ多数の見解として述べられているように御紹介されている文献もあるところでございます。
 次に、欧州各国における国政重要問題に関する国民投票制度の利用の状況についてでございますけれども、各国それぞれの憲法のもとでの制度設計でございますから、その法的拘束力の有無や、国民投票実施が義務的なものか任意的なものであるかといったような制度設計はさまざまであり、それらを捨象した上で、若干の事例を御紹介申し上げさせていただきます。
 まず、昨年、先生と御一緒させていただきましたイタリアにおきましては、法律廃止の場面における国民投票制度がかなり積極的に活用されているといったことは、先生には釈迦に説法でございますが、海外調査で見聞してきたところでございます。我が国でも報道された著名なものとして、原発再開計画の許容に関する法律の廃止につきましては、この国民投票は近年行われ、これが可決されたというところは御承知のとおりであるかと存じます。
 また、直接民主制の要素を大幅に取り入れているスイスでの頻繁な国民投票の実施はよく引用されるところでもございます。
 そのほか、衆議院憲法調査会あるいは憲法調査特別委員会の時代におけます海外調査報告書を見てみますと、オーストリア、スウェーデン、スペイン、そしてフランスなど、欧州各国においても、法律案やあるいは政治的に重要な問題に関する国民投票制度が設けられております。その利用の回数、頻度については各国においてまちまちでございますが、それなりの実施例はあるようでございます。
 以上です。
○畠中委員 終わります。ありがとうございました。

はたなか光成 <元衆議院議員>公式HP

元衆議院議員 はたなか光成(無所属)の公式HPです。